みどりがいっぱい、雑草もいっぱいです
今年の春から年金暮らしとなり、趣味の農業として54アールの水田と10アール畑で米と自家用の野菜や果物を作っています。(本当はもっと畑があるのですが手が廻らず貸しています) 農業経営としては農業機械などの設備投資などで採算割れですが、何といっても新鮮で安全な(無農薬ではなく低農薬栽培です)野菜や果物が食べられることと、消費者は食べられない完熟品がえられることです。 また農薬や除草剤の使用も、安全と経費節減のため使用を極力抑えております。このため売り物になるような綺麗なものはとれません。自家用や友人に差し上げております。しかし、見た目は悪くとも味は格別です。人手不足もあり、畑はもういらないと割り切り、毎年、畑に桜の木を植えながら美味しい野菜を作っています。春は、雑草もあまり伸びないので、一面の菜の花の中に桜と桃の花がきれいです。 農水省もこだわりの人が多く、思惑通りことが進まず困っているようです?(今だからいえますが)。子供たちといっしょになって、土や農作物に接し、収穫の喜びを家族みんなで共有できるのは最高の幸せです。米でも野菜でも自分が納得して使用した農薬や除草剤の使用で「安全」と判断したものが食べられる。消費者にはできない贅沢です。当分は止められません。 こんな我が家の農業は趣味の農業そのものです。中途半端な経営では当然のごとく大赤字です。自分は「こだわりだ農業」とか「趣味の農業」だのだのといっていられますが、子供の代までは押しつけられません。こだわりがなければやっていけないのが今の農業の実態じゃないかと思います。もともと、赤字経営なのですから、もし大農機具が壊れたりすれば大赤字になってしまいます。昨年は見事コンバインが刈取り中に壊れスクラップ置き場へ直行となり、今年中にコンバインを買わなければならなくなりました。「これからの若い人は、だれも農業で飯を食おうとは思わないだろうな・・・・」と思います。 農業収入をあてにしないですむ、第2種兼業農家や道楽や健康管理・趣味のレベル農家の人はではこれでいいと考えていますが、農業で生計をまかなっている専業農家の方々や日本農業の将来となると問題は深刻です。日本の農業の将来を国民みんなで考える必要があるのではないでしょうか。 これでいいのか!!!! もしも、いま海外からの食料輸入が止まったらと考えると背筋が寒くなります。食料危機となったとしても、いまの農家には日本人の食料を確保する力も無く、まかなえるのは米くらいかと思います。まして石油が無くなったら・・・。これからの日本の食料問題が心配です。基本的に赤字を出し、自分の食べる食料を減らしてまで、他人のための食糧供給にがんばる人はいないのです。いまの農民は、国や消費者から、そこまでの義務感を感じなければならないだけの扱いは受けていないと思っています。(特に私のように小規模な農家は) もし、どのような事態になっても私は何とか生き残りたい。しかし、社会全体の工業や流通機構の上に農業が成り立っているわけで、自給自足の大昔の農業に戻ってまで、今の経営を続けるのは不可能。しかし、家族を守るために、食糧生産の基盤である田畑を自給できる程度だけでも何とか引き継ぎたいとの思いで頑張っています。 自分の子供がどう考えているかはともかく、判断できる年令になるまでは気長に採算無視の「趣味の農業」でがんばるつもりですが、全く無関心のようです。でも、年金暮らしでは今の経営は継続不可能と思われます。どうしよう・・・・・ やっぱり趣味の農業ですね。